同棲・ルームシェアを希望する場合の注意点

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同棲・ルームシェアを希望する場合の注意点
お部屋探しには厳しい実態。

お問い合わせを下さるお客様やご来店頂くお客様の中には、同棲やルームシェアといったお部屋の借り方を安易に考えている方も多く、「家賃はちゃんと払うって言っているのに、なんで貸してくれないの!?」という疑問を持つ場合が多いようです。

何故貸せないかと言う問いに、一言で答えれば
「トラブルが多い(貸す側にとってはリスクが高い)」からに他なりません。

そもそも、1ルームや1Kといった単身者向け物件は通常2人以上での入居は認められませんから、そういった方達は2DKや3DKといったファミリー向け賃貸物件に入居しようとします。(1ルームや1Kに2人で入居したがる方もいますが、まず断られると考えて下さい)

ここで一つめの問題として、「一人で支払うには賃料が高い」ということがあります。
同棲や友人同士の2人で入居する場合、どちらか一方が退去したらすぐに家賃滞納が始まります。貸す側にとって、これほど怖いものはありません。

また、当然ながらファミリー向け物件はあくまでファミリー向けなので、他のお部屋には子供がいるようなファミリー世帯が入居しています。独身者とは生活リズムが決定的に異なりますので、かなりの確率で近隣と「騒音に関するトラブル」が発生します。特に友人同士の場合は深夜に騒ぐ事が多いようです。
他の部屋に入居しているファミリー世帯同士は、例えば深夜に赤ん坊が夜泣きをしてもある程度許容出来るものですが、子供のいない世帯にはこれが許容出来ない騒音となってしまいます。

賃貸物件の貸主は全体的に年齢層が高い為、「同棲」という生活スタイルを許容しづらいものです。
赤の他人である友人同士で入居する「ルームシェア」に至っては理解の範疇を超えてしまう事も多いのです。不動産業者としても、後々のトラブルは容易に予想出来ますので(もちろんトラブルを経験しているからです)、入籍予定日が確定しているカップルの同棲以外の、単純な同棲やルームシェアを希望するお客様へご紹介出来る部屋というものはほとんど無いのが現状です。

貸す側にとってはトラブルが起きたり滞納が発生する可能性が高いお客さんと契約するよりも、良い入居者が現れるまで空室のままにしておく方が、賃貸経営の判断として妥当なことが多いのです。(トラブルが起きると他のお部屋まで空室になってしまいますから)

TV等の影響でルームシェアという言葉が有名になっていますが、貸し主や不動産業者にとって見れば以前から禁止している「転貸(又貸し)」に過ぎないのです。
お部屋探しの前に、事前に当人同士で話し合っておきましょう。

契約出来るとしても、色々と条件が付くはずです。

条件とは、・・・・
同棲や友人同士の場合、誰か一人を契約者にするのではなく、入居者全員を契約者とし、連名契約とする。

一人一人に賃料全額の支払い義務を負ってもらうためです。基本的にどこの賃貸物件も「又貸し」は禁止しているはずです。契約者が同居人から金銭を受け取ればそれは「又貸し」となります。契約者以外の同居人が入れ替わってしまうと貸す側も管理出来ません。

賃料に関しては、貸し主や不動産会社に対して、「同居人との約束で自分の支払う分は家賃の1/2だから、自分は1/2しか支払いしません」というのは通用しません。
「自分だけ退去するから」といって自分だけ借主の名前を外すことも出来ません。(自分だけ退去しても、その部屋の賃貸借契約が存続する限り賃料全額の支払い義務が続いていきます)退去の時の原状回復義務・費用も同じです。「そこを壊したのは同居人だから同居人に請求してくれ」等という言い分は通用しないのです。

その上で、各契約者それぞれで親族の連帯保証人を立てる必要があります。

もちろん、連帯保証人さんには連名契約であることを承諾してもらいます。「誰か一人の」連帯保証人になるわけではなく、契約全体の連帯保証人ですから、連帯保証する債務額は大きい物です。(連帯保証人が複数いても、保証債務は分割されません。「自分は1/2しか支払わないから残りの1/2はもう一人の連帯保証人に請求してくれ」という理屈は通用しないのです。また、貸室の契約が存続している限り連帯保証人としての契約も続きますので、自分の関係者が退去したからと言って連帯保証人を降りることも出来ません)

そして、「同居人が退去した場合にどうするつもりなのか」を明確にして、貸し主側に約束しておきましょう。
貸す側にとって、一番気がかりな点です。

誰かが退去すれば、その分賃料を負担する人間が減るのですから、即座に賃料滞納が始まってしまうからです。
「誰か一人でも退去する場合は、貸室契約を解約して明け渡しします」と約束して貰わないと貸すことが難しい場合がほとんどです。(一人で支払うには厳しい賃料額のはずですし、別の同居人が入ってくるなどというのは不動産契約の性質からも許容出来るものではありません)

誰かが代表者となって一人の名前で契約し、同居人を募集して入居する人間が入れ替わる、という契約形態はほとんど相談に乗ることが出来ません。(多くの契約は大手企業の法人契約(社宅使用)ですら、入居者が入れ替わることを禁止しています)「貸す側だって、空室にしておくより良いだろ」と考えるのは間違いです。

貸す側は高いリスクを負ってまで「とりあえず家賃が入ればいい」とは考えないものです。

海外ではルームシェアなんて普通なのに、なんでそんなに厳しいの?

単純な話、法律も住宅事情もいろいろ違うからです。背景が違うのに他の国と比べること自体に無理があります。日本における「賃借人の権利の過剰保護」による弊害と言えるかもしれません。

日本では、貸し主側にとって、一度契約した入居者に出て行って貰う為の金銭的負担・時間的・精神的負担が大きすぎるので、「トラブルを起こしそうな人とは絶対に契約しない」という事がとても重要になるのです。
借りることが出来そうな物件を見つけたら、どんなことに気をつけたらいい?

「もし自分が貸す側だったら」という事を想像してみて下さい。
提出する情報は多ければ多いほど、入居審査がスムーズなのです。

社会的にマナーが守れる人かどうかも重要な判断材料です。「俺は客だ!」という考え方をしている人は態度に表れます。身だしなみや言葉遣い、気をつけなければならない点はたくさんあります。

入居する人間全員の勤務先(社員証等)や収入(収入証明等)も明確にし、
同居人が退去した場合にはどうするつもりなのか、約束しましょう。
連帯保証人予定者には事前に承諾を得ておき、勤務先や収入等の詳しい情報を教えて貰いましょう。
入居申込書は丁寧な字で、出来るだけ詳しく記入しましょう。

その上で、「同居人の誰か(どちらか)が退去した場合に、契約はどうするのか」をきちんと事前に伝えましょう。

要は、契約の相手方を安心させる材料を十分すぎるほど準備しましょうという事になります。